ぼくの夏休み

棒人間は告発する

　8日。夏休みの始まりを期待する内容。絵は、うさぎとケーキ。妹に読んだ絵本のようだ。

　9日。父親に宿題を見てもらった。絵は、夕食のハンバーグ。

　10日。目玉焼きに、何をかけて食べるかって話。俺もソース派だ。絵は、もちろん目玉焼き。

　11日。無くしたハンカチが見つかったって話。絵は、仮面ライダーかな。確か、昨年まで放送していたシリーズの奴だな。

　12日。蚊に刺された話。絵は、腕のアップに、蚊らしき虫が止まって刺している、決定的なシーン。見るだけで、かゆくなる。

　13日。アイスクリームを食べた話。絵は、カップアイスのアップ。

　人が出てこないな……。
　描かれている絵は、食べ物が多い。手抜き、と言えなくもない、が――。
　更に、ページを捲る。

　14日。妹と2人で留守番をする。絵は、読書感想文のために読んだ本の表紙だ。これ、人気のシリーズなんだよなぁ。俺も小学生の頃、読んだっけ。

　15日。あ、これか。さっき見た棒人間の絵だ。雨で、墓参りが延期になって、父親に宿題を見てもらったって内容だ。あ、「初めて」を「始めて」と書いている。間違えやすいんだよなー、これ。

　16日。墓参り。絵は、カラフルな花に囲まれた、黒い墓石。御影石か？

　17日。ベランダに毛虫が出たって話。真っ黒い毛の中に、不気味な赤い顔。コイツの将来は、絶対、蛾だぞ。

　18日。夏休み最終日。短文の中に、2学期の抱負が綴られている。絵は、ノートやドリルの山だ。