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分かってない【パパ編】 その1-3
「お仕置き、もうやだぁ」
泣き顔は大層こちらをそそった。
説得力がないかもしれないが、別に香凛を虐めたい訳でも苦しめたい訳でもない。ただ、羞恥心など擲ってあられもなく求められたいだけなのだ。
香凛は割に最中でもずっと恥ずかしがっていて、追い詰めなければ沢山の言葉を呑み込んでしまう。
「じゃあ香凛、最後に復習がてら、もう一度ちゃんと呼んでみろ?」
香凛は無理矢理身を捩じって、こちらを見上げた。もどかしい熱に苛まれている香凛は、上目遣いで甘い声を出す。その様子に、どれだけの破壊力があるかも自覚せず。
「征哉、さん……シて」
「っ」
請われて、絶え間なく陰核を責めていた手をようやく止める。それから香凛を俯せに戻して、ずっとじっと留まっていたソコから自身をずるりと引き抜いた。
「え、あ、なんで」
期待していた快感を得損ねて悲痛な声を上げる身体をころりと返して、今度は仰向けにする。
「顔が見たい」
そう言ったら、面白いくらい真っ赤になった。そして自分の顔を両腕で覆い隠してしまう。
「恥ずかしがるなよ、今更」
「な、何回経験したって恥ずかしいものは恥ずかしいよ!」
ぐいと両腿を割り開かせる。しとどに濡れたソコに切っ先を宛がうと、期待に入口がヒクつく。
「香凛、して欲しいんだろ」
「それは……」
「腕どけろ、恥ずかしがるくらいならこのままおあずけにするぞ」
「な、なんで!」
「だって恥ずかしんだろう? 無理強いは趣味じゃない。恥ずかしいならやめにしてやる」
滅茶苦茶なことを言っている。
無理強いならもう十分している。優しく甘く、それこそお姫様扱いと言えるような配慮のある抱き方を、オレは滅多にしない。いつだって限界を試すようなことしかしないのに、この口は随分適当なことを言う。
「うぅ!」
けれど判断力の低下している香凛は、もちろんそんなことは指摘しない。今自分の身を苛むもどかしさだけで頭はいっぱいになっている。
「それともお仕置きに戻るか。どうする」
唆すように宛がっていた切っ先の狙いをズラして、先ほどまで執拗に責めていた膨らみを突いてやったら、ぶるぶると香凛は頭を振った。
「そ、それはやだ」
「じゃあ可愛い顔を見せてくれ」
「っ……!」
重ねて言えば、観念したように香凛は腕を退けた。快楽と羞恥でとろけかけた顔が露わになる。
「いい子だ」
こめかみに軽くした口付けは優しかったと思う。
けれど次の瞬間にはそれを打ち消す勢いで一息にずぶずぶと屹立を香凛に埋め込んでいた。
「――――~っ!!」
弓形に反り返る身体。突き出された乳房の頂きが赤く熟れてこちらを誘惑する。
貪欲に絡み付く内側は、もう完全に大人の女の反応で。
「あ、んんっ!」
けれど涙目でこちらを見上げる顔には、どこか幼さを感じる。
二十歳を超えたと言ってもどちからと言うと可愛い系の、童顔と分類できる香凛は、幼い頃の印象をずっと残しているのだ。
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