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公園の動物
近所に広い運動公園があります。
通勤の際、この公園内を通り抜けたほうが近道になると気付いてからは、ほぼ毎日通るようになりました。
公営の体育館やグラウンドもあるため、日によっては結構賑わう公園です。時間に余裕がある時は小鳥や草花を眺めながら歩くこともあります。
先日は季節外れの陽気でした。公園内はウォーキングやポケ◯ンGOの人も多かったのですが、ふと遊具ゾーンに目をやると何故かいたのです……馬が。
黒い馬が鉄棒の横に佇んでいるのです。
何でこんなところに?!と流石に驚きました。
鞍もないし、鉄棒に繋がれているわけでもありませんでした。
周囲に飼い主らしい人もいません。
彼か彼女は、大人しくじっと立っているのでした。
公営グラウンドで馬術の大会でもあるんだろうか。それとも『ふれあい動物園』的なイベントかな?
いや、でも誰か付いていなくていいのか?
昔々、祖母に「自分が子供の頃、近所の子が馬に蹴られて亡くなった。お前はすぐ動物に触るけど、危ないからやめなさい」と説教されたものでした。
この馬は大人しい子だけど、でも馬だけ放置していいのかな。
そう思いながら通りすぎたのですが、
……できたら撫でたい……と思い、振り返ってみたのです。
そこには鉄棒だけがありました。もう馬がいないのです。
引き返して辺りを見回しましたが馬はもう見当たりませんでした。
この出来事は『季節外れの陽気で脳がバグってみた幻覚』と思っているのですが、最近になってこの運動公園が旧陸軍の施設跡に出来たことを知りました。
当時の資料は機密の為にほとんど残されていないそうですが、当時の証言のなかに「騎兵隊があった」と書いてあったのでした。
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