ゲームコーナー

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ゲームコーナー

関西某所の、とある商業施設での話です。 その商業施設は一階がスーパーマーケット、二階部分は100円ショップと空き店舗スペースになっていました。 ある日のこと。 商業施設の隣にある歯科を受診するために来たのですが、開院時刻より早く到着してしまいました。 そこで時間を潰そうと二階を覗いてみると、空きスペースにゲームコーナーが出来ていました。 軽い気持ちで一回りして驚きました。 『ス○リート○ァイター2ターボ』『キ○グオブ◯ァイターズ』、『ダ○スダ○スレボリ○ーション(初代)』『○鼓の達人(ブラウン管)』などなど、ゲームのラインナップが何というかこう、時が止まっている……(この時、すでに平成終盤でした)。 時間はまだかなりあります。 私はつい、懐かしの『ポッ◯ンミュー◯ック』でもやってみるかと100円を投入しました。 するとどうでしょう、100円8プレイという破格の安さに設定されていたのです……。 歯科の時刻になってしまう……と半泣きでプレイしていると、背後に人の気配を感じました。 ああ、並んでいるのかなと思い、横目でちらっと見てみました。 誰もいません。 しかし、またゲームを始めると後ろから『コツン、コツン』と靴の音が響いてきました。 そして靴音は私の右隣で止まりました。 視界の端に男性が立っていました。 前髪の両サイドだけを金髪にして、白いシャツに光沢のある黒ベストとスラックス姿。 背は私より少し高い位なので160センチくらい。丸顔でまだ若い印象です。 手にはプラスチックの籠と布巾を持ち、ゲームをじっと見ています。 その出で立ちから店員さんだと思いました。 メンテナンスがしたいのかな、それともポッ◯ンをプレイする客が物珍しいのかな……。 そう思いながら必死にプレイ数をこなすうち、 店員さんは右奥にある扉を開けて引っ込んでしまいました。 かと思えば、また扉から出てきてこちらを眺めています。 どうやらポッ◯ンの画面を見つめているようでした。 やはりメンテナンス待ちかな。ごめんなさい……。 ようやく8プレイが終わり、顔を上げてみると右奥には壁が続くだけで扉なんてありませんでした。
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