0人が本棚に入れています
本棚に追加
この三年間、彼女は弟のカタキを捜し続けていた。
そしてついにこの廃工場の壁際に追い詰めたのだ。
彼女の手に握られた銃の前に、弟のカタキはなすすべもなくただ震えている。
こいつが可愛い弟の命を奪った犯人。
絶対に許さない!
しかし人間の本性とは恐ろしいものである。
この緊迫した状況下でさえ、彼女はその持って生まれたそそっかしさを発揮してしまったのだった。
彼女、ふぐ田さざえはこう叫んで銃の引き金を引いた。
「カツオのタタキ!」
最初のコメントを投稿しよう!