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小学生の頃は漫画家になりたかった。オタク少年によくあるパターンだ。
中学生の頃はそれが画家に変わった。これもよくあるパターン。
高校生の頃は美大進学を志した。
だけど親に猛反対されて、やむなく一般大学を選んだ。
大学生の頃は理工学部に在籍していた。部活動は軽音楽部。稚拙ながら所属バンドのソングライティングを手掛けたりと作曲家の真似事を気取ってみたりもした。
本来の目標を見失い学生生活に明け暮れる日々。せっかく一流と呼ばれる大学に進学できたのだから、将来は有名企業に就職するのも悪くはないのかなと、ぼんやりと進路を再検討し始めていた。
そうやって童心を偽り堅実な大人の仮面を被ろうとしていた頃。私は流行のTV推理ドラマ「探偵ガリガリ」に出会った。
探偵役の物理学者、揺川准教授の解明する鮮やかな理系トリックの数々。私は瞬く間に心を奪われた。
その後に「すべてがHになる」という理系ミステリの最高峰とも言える作品に出会う。作者である 森 博士先生のエッセイ「ミステリ小説家という職業」に感銘を受けたのもこの時期である。
こうして何時しか、私は本気で小説家を志すようになったのだ。
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