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自分も若かった。何も知らなかったし、気づけなかった。
初めて話したとき、とても話しやすかった。
それから私は、あなたにずっと憧れていた。
あなたに、「愛称で呼んでもいい?」と聞いたとき、
少し恥ずかしそうに了承してくれたのを覚えている。
あなたの特別になれたのかなって、とても嬉しかった。
いっぱい秘密の話もしたし、仲良くなれた気がしていた。
それから幾らか経って。久々に、あなたに話しかけたら。
「恋人ができたから、ごめん。」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
今の自分なら、そういう事もあるよねと、分かる。
恋人に嫉妬されるんだろう、人間関係も、と。
当時の自分は、その関係が続いていくもんだと、
私のことを唯一理解してくれたんだと、信じていたから。
いろんな気持ちと思い出が溢れ出して、悲しくなった。
その日の夜は、ベッドに丸くなって、布団被って、ずっと泣いた。
あれが初恋だったのかもしれない。
一人で泣いた夜のこと、今でも覚えているから。
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