だってわたし、おねえさんだから

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 さっちゃん、たいせつなわたしの(いもうと)。  ときどき、とってもいたずらっこでこまっちゃうの。  たとえば部屋(へや)のなかにティッシュをいっぱいちらかしたりする。  にっこり笑うさっちゃんがかわいかったし。  わたしもそれが楽しかったから、そのティッシュの上を走り回ってしまったの、おねえさんなのに。 「ネネちゃん! さっちゃん!」  台所でごはんの用意(ようい)をしていたおかあさんがもどってきて。  とってもこわい顔でわたしとさっちゃんを見下ろしたから。  こわいけど、こういう時のおかあさんはこわいけど。  さっちゃんを背中にかばって。  わたしだよ、わたしがやったんだよ。  さっちゃんじゃないよ、とさけんだ。  だってわたし、おねえさんだから。  さっちゃんが大好きだから泣いちゃうととっても悲しいの。  わたしが悪いのよ、おかあさん!  そうさけんでいたら。 「ありがとうね、ネネちゃん。おかあさんは、わかってるよ! ネネちゃんがやさしいの」    おかあさんが笑って、わたしとさっちゃんの頭をなでてくれた。
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