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「もし私が超絶イケメン連れて帰ってきたらどうする?」
「100%ないな」
「わかんないよ? ほら、私可愛いから」
「自分で言ってて悲しくないのか?」
「誰も言ってくれないから自分で言うしかないの!」
バンっと肩を叩かれる。缶ビールの中身が飛び出て地面に広がった。「おい」と咎めても知らん顔してビールを煽っていた。
「お前こそどうすんだよ。俺に超絶美人の彼女ができてたら」
「あ、ないない」
「わからねーぞ? もしかしたらうちの店に入ってきて、かっこいい付き合って! ってなるかも」
「もしそうなったら仕事ほっぽり出して帰ってくるよ。で、眼科か精神科に連れていくね」
「ひどくないか?」
冬乃はあはははとお腹を抱えて笑った。
「はぁー、おっかし」
空になったのか、缶をビニール袋に入れ、代わりに新しいビールを取り出し、開けた。俺はまだ半分ぐらいなのに相変わらずペースが速い。ふうと一息ついて少しの沈黙が流れた。そして。
「柾はさ……考えてるの? その、結婚とか」
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