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夏の間、テオは暇を見つけてはノアのところへ遊びに行った。日々のどうでもいいようなことを語り合ったり、お互いに知らない物を見せ合ったり、ノアといるとテオは何もかもが楽しかった。
二人は仲良くなり、テオはこの毎日が永遠に続けばいいと思っていた。
だが、ノアは夏の終わりに、
「この地を離れる」
とテオに告げた。
「えっ、どうして」
テオはノアの言葉を聞いて硬直した。
「南へ帰る。私のようなドラゴンは夏の間だけここのような涼しい北の地で暮らすのだ。この付近の食料をかなり食べてしまったから、資源が回復するまで私はここには帰ってこない」
「そんな!? 次はいつ来るの!?」
「そうだな……また三年後、ここに来よう」
「三年後……約束だよ。絶対帰って来てね!」
「ああ、約束だ」
ノアは翌日、南へと旅立っていった。
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