ハッピーエンドを目指すために

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「マリちゃんおめでとー!」 「離婚お疲れさまー!」 「いやいやいや、まだ離婚出来てないからね? することは決まってるけど」 ガヤガヤと騒がしい居酒屋にグラスをぶつける音とはしゃぐ声が響く。 飲み始めて30分くらいしてから、なんだか物足りなくてきょろりと周囲を見渡す。 それを不思議に思ったのか、向かい側に座る萩原さんが首を傾げた。 「どうしたの?」 「んや〜。な〜〜んか物足りなくてさぁ〜」 しばらく考え込んでいてその答えを見つけた。 いつも飲み会でアタシの隣に座って愚痴を永遠と聞いてくれた、あの後輩くんの姿が見当たらない。 そのことを口走れば萩原さんの隣に座っていた体格のいい男の子が答えてくれた。 「あぁ……アイツ、今彼女にフラれて落ち込んでるんですよ」 「ハァ!? なんで? あんな順調そうだったじゃん!」 そうやって食いつけばふと気まずそうに視線を逸らされる。 首を傾げていればふとあることを思い出した。 そういえばこの子……あの後輩くんと仲よかったはずじゃ……? “友達ならなんか知ってるっしょ?”と聞こうとした時、アタシより早くに彼の口が動いた。 「つか、マリ先輩なら原因知ってると思ってたんですけど……」 それがどういうことなのか、わからないほどアタシもバカじゃなかった。
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