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Side B
みんなのはしゃぐ声とパチパチという花火の音が遠くに聞こえる。
私とナオ君はコテージから少し離れたところにある池の前のベンチに座っていた。
昼間はあんなに暑かったけど、今はひんやりした風が肌にあたって気持ちがいい。あちこちから聞こえる虫の声が、より涼しく感じさせているのかもしれない。
「風、気持ちいいね」
「そうだね」
さっきから、ナオ君の口数が少ない。
外灯はあまりないけど、月の光がとても明るいから、ナオ君の顔がよく見える。顔が強張っているように見える。
ナオ君も緊張しているのかな?
今日は朝からドキドキしていた。二人きりになれる夜が待ち遠しかった。
ナオ君が私の方に体を向けた。心臓がさらに高鳴る。
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