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「奈津美、水上さんと仲良いって言ってたよな?高校も一緒だった、って」
ナオ君の予定外の発言に、私は拍子抜けしてしまった。
「え?うん、そうだよ。それがどうしたの?」
「え、いや。昼間一緒に買い出しに行ったとき、そんな話になったから」
「ふぅーん。他になんか言ってた?」
「いや……あ、スマホケースがお揃いだ、って」
私は、肩にかけていたサコッシュからスマホを取り出しケースを見せた。花びらが細かく描写された花柄のもので、私のはオレンジ色だ。
「うん。色違いなの。本当は色も同じにしたかったんだけど……全く一緒だと間違えそうだから」
梨沙は、高校3年のときクラスが一緒だった。どの女子グループにも入ってなくて、いつも一人で、ちょっと浮いてる存在だった。梨沙がとても綺麗だから、余計浮いているように見えたのかもしれない。
教室の窓側の席で、授業中によく外を見ている梨沙の横顔を私はうっとり眺めていた。ずっと仲良くなりたいと思っていた。
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