29人が本棚に入れています
本棚に追加
梨沙はいつも図書室でひとり受験勉強をしていた。私は勉強するふりして梨沙に近づき、思い切って声をかけた。
そして、図書館で勉強して一緒に帰るようになった。
梨沙は思ったより話しやすい子だった。一人でいるのが好きというよりは、女子グループみたいな大勢でいるのが苦手だと分かった。
私は色んなグループに平気で入っていけちゃうタイプで、逆に一人でいるのはつまらなくて苦手だったから、梨沙のことがとても大人に思えた。
梨沙のことを知れば知るほど、梨沙が好きになった。大学も一緒で、今は一番の親友だ。
「ねぇ私、ナオ君とも何かお揃いにしたい。今度買いに行こう」
「うん、じゃあ来週バイト休みのときに買いに行こうか」
ナオ君の手にそっと触れると、ナオ君の大きな手が私の手を握った。
ナオ君と目が合う。
「……好き」
「俺も……」
両肩をそっと掴まれ、ナオ君の顔が近づいてきた。私は目をつぶった。
胸が痛いくらいドキドキする。
最初のコメントを投稿しよう!