Side B

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梨沙はいつも図書室でひとり受験勉強をしていた。私は勉強するふりして梨沙に近づき、思い切って声をかけた。 そして、図書館で勉強して一緒に帰るようになった。 梨沙は思ったより話しやすい子だった。一人でいるのが好きというよりは、女子グループみたいな大勢でいるのが苦手だと分かった。 私は色んなグループに平気で入っていけちゃうタイプで、逆に一人でいるのはつまらなくて苦手だったから、梨沙のことがとても大人に思えた。 梨沙のことを知れば知るほど、梨沙が好きになった。大学も一緒で、今は一番の親友だ。 「ねぇ私、ナオ君とも何かお揃いにしたい。今度買いに行こう」 「うん、じゃあ来週バイト休みのときに買いに行こうか」 ナオ君の手にそっと触れると、ナオ君の大きな手が私の手を握った。 ナオ君と目が合う。 「……好き」 「俺も……」 両肩をそっと掴まれ、ナオ君の顔が近づいてきた。私は目をつぶった。 胸が痛いくらいドキドキする。
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