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Side C
私はコテージの2階の寝室から、みんなが花火をしているのを一人でぼんやり眺めていた。
今頃二人は……
さっき手をつないで歩いていく二人の後ろ姿を見た。
佐久間君には悪いことしちゃったな。
ファーストキスの相手が好きでもない子とだったなんて。
キスの直後、困った表情をした佐久間君を思い出す。
「なんで?」って……
そんなの好きだからだよ。
入学当初からずっと優しくしてくれる佐久間君のことを私は好きになった。
だからって、まさかあんなことをしてしまうなんて、自分でもビックリだ。
でも、せずにはいられなかった。
これは偶然じゃない、って確信したから。
私には彼氏なんていない。今まで誰とも付き合ったことがない。
高校生のとき、私は好きな人がいた。図書室でよく見かける、1年下の図書委員の岡本君。話をしたことはない。名前を知っているのは、彼がそう呼ばれているのを聞いたからだ。一方的な私の片想いで、図書室で勉強するときに岡本君の姿を追うのが私の密かな楽しみだった。
ある日、奈津美から「岡本君と付き合うことになった」と言われた。
奈津美からそういう話を聞いたことがなかったし、私も岡本君が気になっていることは奈津美に話していなかった。
だから突然言われて、すごくショックを受けた。
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