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『さきさんはおいくつですか? わたしは十六で、高二です』
『同学年ですね。四月生まれなので、私は今十七です』
『そうなんですね! すごく大人っぽいから、年上だと思ってました』
『せっかくだから、敬語やめましょうか』
同い年のさきとのやり取りは、そうして始まった。
彼女は敬語じゃなくなっても女子高生特有のはしゃいだ様子はあまりなく、大人びていて、図書館の似合いそうな女性のイメージが強まっていった。
話題は天気の話とか、その日見たものだとか、中身のない、どうでもいいことがメインで、テレビやネット、アイドルなど、学校で友達が楽しそうに話しているような話は少なかった。
さきは勉強と読書に時間を割いていて、登下校の道の紫陽花だとか、雨の日はなんだか眠くなるだとか、そういう自然なことを話す。
彼女と会話をする上で、話を合わせるためのネタ収集や、頑張ってついていかなきゃ! という努力は必要ないのだと、わたしはぼんやりと、心地よさを感じていた。
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