記憶喪失

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目覚めてから僕はベッドから出ないまま医者に健康状態を聞かれたり、検診を受けた。 今日、明日と大事をとって明後日には退院出来るだろうと言われた。 ただひとつ重要なことを医者から言われた。 「瑠斗さんは原因不明の病にかかっており、そんな中での事件です。そのまま入院していただいた方が身体のためになるのですが……」 「原因不明の………?」 「えぇ。記憶喪失になってしまい混乱なされているかと思いますが、瑠斗さんの寿命は1年。もって 1年半でしょう。」 「そう、ですか」 「詳しいことは瑠斗さんの執事に話すので今日はベッドで大人しくしててくださいね」 「はい。ありがとうございました」 「お大事になさってくださいね」 最後に看護婦さんがそう言うと、名札で見た医者の倉田さんと看護師の篠宮さんは病室から出ていってしまった。 はぁ……… これからどうしようか。 医者にベッドから出るなと言われてしまったし、なにか暇つぶし出来るものはないだろうか。 例えば僕にまつわるものとか。 自分の私物から職業や年齢くらいはわかるだろう。 そう思って辺りを見回すと僕以外の患者はいないようだった。 一人部屋か。 なんだか寂しいな。 ベッドはやたらでかいし、花や果物が沢山置いてあった。 もしかして僕のお家は金持ちなのか? いやいやまだ決まった訳では無い。 親が心配性で一人部屋なのかもだし。 ん?待てよ? さっき医者は執事と言っていた。 もしかして目覚めてから最初に喋っていたのは僕の執事か? としたら金持ちしか選択肢がないな。 あ〜僕大丈夫かなぁ…… ふとベッドから降り、窓に近づいた。 途中でコツンッと何かにぶつかった。 「ん?あ、バックだ」 しゃがんで中をゴソゴソと漁る。
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