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中を漁ると、財布が出てきた。
カードや身分証明書などがあるはずだ。
………あった。
えーとなになに
「学生証……か」
でも大人よりかはマシか。
そう思い、名前や自分の顔が載ったカードを見た。
『星の丘学園在校生』
月白瑠斗
男 16歳 高2
2-Sクラス
役職 風紀委員補佐
誕生日 9月3日 乙女座 O型
なんか……
すごい個人情報が書かれているな。
髪の毛は黒とも紺とも言えない色だった。
目は水色で童顔だ。
でも何故か違和感を感じて髪の毛を触る。
写真の僕は髪が短いのに今の髪は肩ぐらいまでの長さだった。鬘で自分の髪色を隠しているのかな?鏡がないので今の髪色は分からなかった。
パサッ
ん?今なにか落ちたような…
下を見ると、銀色のカードが落ちていた。
拾い上げると何か彫ってあった。
「403号室 月白 瑠斗」
部屋のカードキーだろうか?
自分の家が金持ちだと高校もきっと名門校なのだろう。
ひとまず最低限自分のことを知れた。
記憶がいつ戻るかも分からないし、生きられる時間も少ないが地道に頑張っていこう。
そう決心し、勢いよく立った。
「……ッ、、」
それが行けなかったのか、急な目眩が起こった。
2枚のカードを握りしめ、ベッドに倒れるように戻った。
「はぁ……この先どうなるんだろう」
決心したばかりだが、そんな言葉が口からでた。
目眩が収まると今度は眠気がやってきた。
カードをサイドテーブルに置き、ベッドに潜り込んだ。
目を閉じるとすぐに暗闇に引きずり込まれた。
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