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「お、もうそんな時間か。そろそろ出るか」
「は~い!篠宮社長、ご馳走様でした!今日もとっても美味しかったです。ありがとうございました」
私の言葉に篠宮社長も自分の腕時計を確認すると呼び鈴を鳴らしてお会計の合図を店員さんに送る。
私はそんな篠宮社長の目を見てきちんとお礼を伝えてお化粧直しに席を立つ。
今日は、私の一番のお客さんである篠宮社長おすすめのお魚料理と日本酒がおいしいお店に連れてきてもらった。
篠宮社長は、一番付き合いが長いお客さまだ。
まだ私がこの店に入って間もないど素人な上に世間知らずな大学生だった頃にお席について、指名をしてもらえるようになった。
付き合いが長いから、割と素に近い感じはせれるし美味しいご飯を食べさせてもらえるし、変にお触りとかなく楽しく話して飲んでできるから大好きなお客さんだ。
中にはクッソ面倒くさいお客さんもいるんだけど、どうやってその人たちを自分にとっていいお客さんにするかって言うところが、なんか乙女ゲームとみたいで楽しかったりする。
あと、この仕事をしていてよかったなって思えるのはこうして普通に働いていたら来ることはないであろう高級なお店に連れてきてもらって、他人様のお金で美味しいものを食べ飲みできることだと思う。
おかげさまで食費は浮くし!
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