EP.1 サヨナラ世界、コンニチハ異世界

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更衣室の中もピリピリしていた。 それもそうか。 オーナーが来るって聞いたからみんな緊張してるわけね。 そんなに緊張しなくてもいいのになぁ。 「おはよう、真白」 「美咲さん、おはようございまーす」 「今日は篠宮社長と同伴?」 「そそ、前から連れて行ってもらいたかったお魚料理と日本酒のおいしいお店に行ってきましたー!いやぁ、本当美味しかったですよ。美咲さんも今度行ってみてください」 「相変わらずね、真白は……」 美味しかった今日のメニューを幸せそうな笑顔で伝える私に、呆れたような笑顔を見せるのはこの店No.2で私がこの店に入った時からよくしてくれている先輩の美咲さんだ。 クールビューティーな彼女にはMっ気のあるお客さんが多い気がする。 美人だからか少し冷たく感じる表情と視線がいいんだそうだ。(美咲さん指名の古株さんが言うには) あと、お姉さん感が半端ないから若いお客さんにも割と人気があったりする。 「この空気で気づいていると思うけど今日オーナーが来るらしいわよ」 「あー、うん、さっき店長から聞きましたー。今日は私と新人ちゃんつける予定らしいですよー」
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