きみの笑顔を守りたい

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「うん、兄弟だよ」 苦笑いを浮かべて頷くと 「じゃあ、その写真はなんだ?」 って聞かれて 「ん?どの写真かな?」 と惚けると 「じゃあ何か?お前は義理の兄貴と、頬をくっ付けて写真を撮るほど仲良しな訳か?」 そう聞かれてしまう。 「あ〜〜…、隠すつもりは無かったけど…。その…付き合ってます」 と答えると、愕然とした顔で中学生の兄さんが俺の顔を見た。 「葵、お前…男だよな?」 「見ての通り」 「…俺は、男と付き合うのか?」 戸惑う顔をする中学生の兄さんに 「気持ち悪い…よね。理解してもらおうとは思わない。でも、いい加減な気持ちでなんか、付き合ってないよ」 そう答えた。 少し見つめ合い、俺が小さく笑ってゆっくりと立ち上がると 「葵、何処に行くんだ?」 と聞かれる。 「例え未来だとしても、気持悪いでしょう?朝ご飯作ったら、母さんの所に行くよ」 そう呟いた俺の腕を掴むと 「行くな!お前が未来の俺の恋人だって言うなら、向こうに戻るまで此処に居ろ!」 って、叫ばれた。 「良いの?」 驚いて中学生の兄さんの顔を見ると 「出て行く理由がおかしいだろう。それに、お前の作るご飯は美味いから…」 と言って俯いた。 耳まで真っ赤になっている兄さんに、俺は無意識に抱き付いていた。 「あ!葵!」 驚く兄さんに 「ありがとう、兄さん」 って呟いた。 すると 「ほら、すぐ兄さんって言う!違うだろう」 ムッとした顔をして俺を見る中学生の兄さんに微笑んで 「ありがとう、翔!」 と言って頬にキスをした。 すると驚いたように俺を引き剥がし 「おま!…何してんだよ!」 真っ赤な顔をしている兄さんに 「え!感謝のキスだよ。頬なんて、挨拶みたいなもんだろう?」 と、きょとんとした顔をした。 すると中学生の兄さんは大きな溜め息を吐いてガックリと肩を落とすと 「葵と話をしていると、俺がおかしいのかと思っちゃうよ…」 と呟いてベッドから降りた。 「ランニング行くの?」 笑顔で聞くと 「まぁ…習慣だからな…」 って言ってパジャマを脱ぎ始めた。 中学生にして既に綺麗な筋肉が着いていて、均整の取れた綺麗な身体に思わず見惚れてしまった。
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