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『ドターン』
物凄い音を立てて脚立事倒れた俺。
「痛…くない」
と思わず呟くと、何かを踏んづけているのに気付いた。
見下ろすと、兄さんを踏んでいた。
「ご…ごめん!兄さん!」
叫んで兄さんの背中から退くと、兄さんが中学生になっているじゃないか!
「え!兄さん?俺が踏ん付けたから、中学生になったの?」
オロオロしていると、兄さんはゆっくりと立ち上がり
「あんた…誰?」
って俺の顔を見た。
ヤバイ!中学生の兄さん可愛い!
「俺だよ、葵。兄さん…身体が若返って、俺の事を忘れたの?」
ショックを受けていると
「あのさ…。さっきから兄さん、兄さん言ってるけど、あんたの方が歳上だよね?」
と言われた。
俺は慌てて辺りを見回す。
室内が微妙に違う。
「え?此処って、秋月の家だよね?」
俺がそう呟くと
「そうだけど…、あんたは?」
って、訝しげに見つめられる。
「俺?俺は秋月葵。きみの弟だよ」
微笑んで答えると、中学生の兄さんは益々呆れた顔をして
「あんた、歳幾つ?」
って聞いて来た。
「俺?18歳」
そう答えると、中学生の兄さんは呆れた顔をして
「俺、13歳だけど?なんで5つも年上の人に、『兄さん』って呼ばれなくちゃならないわけ?しかもあんた、どっから降って来たんだよ」
そう言われて、苦笑いを浮かべた。
どうやら俺、7年前の秋月の家にタイムスリップしてしまったらしい。
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