きみの心に寄り添いたい

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「母さんは…、俺を産んだから死んだんだって…。親父と結婚しなければ、母さんは俺を生まなかった。そうしたら、今でも生きていただろうって…」 その言葉に胸が痛んだ。 「誰が…誰がそんな酷いこと!」 怒りに震える俺に 「母さんの親族にとって、俺も親父も憎しみの対象でしかないんだ。だから…母さんの葬儀に出させてもらえるだけでも有り難いと思わなくちゃいけないんだ…」 そう呟く中学生の兄さんを、俺は強く強く抱き締めた。 「そんな事を思わなくて良い!」 そう叫んだ俺に、中学生の兄さんが驚いた顔をする。 「翔のお母さんだって、そんな風に思わせたくて翔を生んだんじゃ無い筈だよ!自分の命を削ってまでも、この世に生を受けて欲しいと願ったからきみは生まれたんだよ!」 そう叫ぶ俺を、中学生の兄さんは抱き締めた。 「葵…俺は生まれて来て良かったのかな?」 ぽつりと呟く言葉に 「生まれてくれないと困るよ。翔が居なくなったら俺は、誰を愛せば良いんだよ」 そう言って、俺は中学生の兄さんに微笑んだ。 「葵は…未来の俺が好きなんだろう?」 小さく泣き笑う中学生の兄さんに 「翔…俺はどんな翔でも大好きだよ」 そっと頬に触れて呟いた。 「過去も現在も未来も…俺は時を超えて、どんな翔でも愛してる」 微笑んで呟くと、中学生の兄さんの顔が近付いてくる。 唇が重なり、俺は首に手を回す。 「葵……抱いても良い?」 そう聞かれて、俺は笑顔で頷く。 再び唇が重なり、ベッドに押し倒される。 求められるキスに余裕が無くて、俺が知っている兄さんのキスとは違う。 でも、どれだけ俺を求めてくれているのかが伝わって来る。 何度も角度を変えて重なる唇。 そして中学生の兄さんは身体を起こすと、着ていたシャツを脱ぎ捨てた。 俺も脱ごうとシャツに手を掛けると、中学生の兄さんの手がそれを制して 「俺にやらせて」 って言いながら、頬にキスを落とした。 (中学生だよな!) 思わず戸惑う俺の首筋に、兄さんの唇がゆっくりと大切なものに触れるように触れてくる。 シャツの裾を掴まれて脱がされると、ゆっくりと抱き締められた。 「人肌って、あったかいんだな」 噛み締めるように言われて 「もしかして…翔、初めて?」 驚いて聞いてしまう。 すると真っ赤になる中学生の兄さんに 「ちょっと待って!童貞を俺で捨てて良いわけ?」 慌てて聞いた俺に 「初めては…葵が良い。愛の無いセックスをする位なら、俺は愛する人を抱きたい」 と言う殺文句を頂いてしまった。
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