週末の冠

第3話 新たな自分

翌日の学校はいつもとは違った。憂鬱なのに変わりはないが、何故かワクワクしている。昨日買ったイヤリングをお守りに、カバンのポーチに入れ、学校に持っていった。勿論学校でつける気も見せびらかす気もない。ただ、持っている。存在しているということを実感しているだけで、幸せを感じられる。いつも通り、教室のドアを開けた。
「あ〜!!おはよ〜!!昨日はごめんね〜!!伝え忘れちゃって〜…もしかしてぇ、待ってた？」
わかりきったことを聞いてくる。
「ううん。私も寝坊しちゃったから…」
「そっか〜良かった！でもぉ、寝坊はダメだよ!!」
自分がそれを言う？と思ったけれど、今日は不思議と心が柔らかい。あのアクセサリーのおかげかも…また、いつも通りの日常が始まった。けれど、どこか違う学校生活が。