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幕間 ──MONSTER
──閃光弾で動きを止められていた灰髪の男は、おもむろに腕を下げるとどこからともなく取り出した黒いシルクハットを被り、1人くつくつと笑い声を漏らす。
刹那──男を中心とした辺り一帯の空間が、闇色の瘴気に支配された。
「くっくっ……“霊絡領域”、展開……完了。
私が支配するこの“領域”の中で、私から逃れようとは……愚かな。
最悪、少女の“精霊”さえ手に入れれば良いんだ……あんな身体に、価値は無い。
私をコケにした報いだ。“機関”の男ごと、纏めて喰らってやりましょうかねぇ……っ!」
灰髪の男はそう声を荒げ、被ったばかりのシルクハットを勢い良く脱ぐ。
刹那──その中から、おびただしい数の血の色をした爪や鎌、牙が飛び出した。
そして──ぐちゃり、とまるで肉を叩き潰したような音を立て、眉間を撃ち抜かれ息絶えている3人の亡骸を呑み込んだ──。
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