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「あちゃ~、じゃないでしょ~。」
状況が全然好転しないじゃーん、と焦るケンジをよそに、またも女性はうーんと考えて。
「じゃあ、こうしましょう。」
あっけらかんと女性が提案しだした。
「とりあえず、私がお客様の車を運転して、ご自宅へお送りします。」
「はい。そこまではさっきと一緒。」
「そ・の・あ・と、私たちはタクシーでここまで帰ってくると。」
「な・る・ほ・ど。で、その時かかるタクシーの料金は?」
女性はフフッと小悪魔的に笑った。
「追加料金ということで。」
「言うと思った!」
「あちゃ~。」
「あちゃ~じゃないって~。」
ケンジは頭を抱えた。
そしてまた、ゴーイングマイウエイに女性はうーんと考えだした。
「じゃあ、こうしましょう!」
さっきより考える時間が長かった。ケンジはちょっと期待した。
「とりあえず、お客様はお客様の車に乗っていてください。」
「はい。」
「まず、お客様の車を十メートルほど走らせます。」
ん?雲行きが怪しくなってきたぞ、とケンジは片方の眉を上げた。
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