鈴と始まり。

2/3
前へ
/12ページ
次へ
夏休みが始まって1週間が経った。 明日から私は両親と兄と姉と1週間程度の旅行に行く予定だ。所謂家族旅行である。ちなみに私は多分父似だ。 「乃彩(のあ)ー、ご飯だよー」 『はーい、お姉ちゃん。ちょっと待って、すぐ行く』 私は今やってる宿題をキリのいいところで終わらせ1階へ降りた。今日の夕飯はトンカツだ。 食べ始めると父が明日の旅行について話しかけてきた。 「そういえば乃彩はもう明日の準備は終わらせたかい?」 『私はさっきまで宿題してたから。でももう少しで終わるよ。』 「姉さんも母さんも無駄なもの持ってっちゃ駄目だよ。」 「無駄なものなんて持ってってないわ。」 「そうよ〜。あれもこれもぜ〜んぶ必要なの!」 「それはどう見ても旅行には必要ないでしょ。置いてって。」 兄が姉と母の言葉を一刀両断している。 そちらを見ると何故か姉はマッサージ機、母は愛用のフライパンや愛用のスポンジを鞄に入れようとしていた。 ·········あれを持っていくのか。 何故家族旅行にマッサージ機やフライパンなどを持っていこうとするのか。ていうか、愛用のスポンジって何だ。 自分で言っててよく分からなくなってきた。 遠い目をしていると兄と父も同じ目をしていた。 うん。やっぱり私は父似だな。それ以外は認めない。姉も母も好きだがこういう所はどうしても2人に似なくて良かったと常々思う。何故だろう、今日一番疲れた。 ──────────────────────── 主人公は『』 姉は普通に喋る 母は敬称付けで語尾を伸ばすことが多い「〜」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加