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リビングへ行くともう皆朝食を食べ終え、それぞれ好きなことをしていた。
「乃彩ちゃん、遅かったわね〜。何かあったの?」
母が心配そうにしながら朝食を準備してくれる。
『ううん、ちょっと寝坊しちゃって』
「そう?いつもは起きるの早いから心配しちゃった」
『大丈夫だよ、ありがと。あ、そういえばお母さんはもう準備終わった?』
そう聞くと母は顔を曇らせて頷いた。
「終わったけど···、持っていきたかったもの殆どダメって言われちゃったのよ〜」
そう言って溜息をついている母には悪いが私は恐らく反対したであろう兄と父に感謝していた。
正直、旅行先で鞄からフライパンだのを出している姿を見たくない。
その後、落ち込んでいた母や同じく反対されてぷんぷんと怒っていた姉の機嫌をなんとか取り、父の運転する車で空港向かおうとした。
が、
『······ねぇ、お兄ちゃん。一応確認だけどその格好で行くの?』
「···?どこか変かな?いつもと変わらないと思うけど」
いや、変わらないから問題なんだけど···。
そう、兄の私服はすっごくダサい。
兄が持ってる唯一まともな服は私と姉が誕生日にプレゼントした服だけ。
ちなみに兄は今"煮玉子boys"と書かれたよく分かんないフード付きトレーナーを着ている。
ほんとどこで買ったんだよ、その服。
その後、30分かけて空港へ行ったが、朝から色々と疲れた私は飛行機の中で隣に座っていた兄に寄りかかり、眠気に身を任せた。
もちろん兄は着替えさせました。
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