おにぎり 12+2

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私は母と二人暮らしだった。父はある日突然家を出て行きそれから連絡はつかない。 私はいつも学校から帰ると、台所のテーブルにあるおにぎりのラップを剥がしインスタントのお吸い物にお湯をそそぎそれを食べていた。帰りが遅い母が夕食の繋ぎにと作ってくれていたものだ。 いつものおにぎりの中身は梅干しかおかか。ギリギリの生活だから当たり前の事だけど、毎月の母のお給料日12回と1年で1回、私の誕生日だけ焼きたらこが入っている。その時だけは嬉しくてテンションはあがった。 でも… 私は母と仲良くない。と言うより母があまり好きではなかった。 「お母さん、私、高校出たら家出るから」 「何で?」 「男に頼って生きていて捨てられたら 何も出来ない。私はそうはなりたくない、自分一人で生きて行きていける様に なりたいから」 「そう……」 冷たく母への思いやりも感謝の気持ちもない、自分の事しか考えられない言葉をはき、当たり前の様に卒業式翌日「じゃぁ」とだけ行って家を出た。
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