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「和泉さん、どうしたんスか!?」
「和泉さん!!」
周囲の言葉はガン無視。何も言わず、和泉はゆっくり、一歩、二歩とギャル男に歩み寄り。
「…… 今日はオレの負けで良い!」
「はァ?????」
浄閑ども、ズッコケたよね。意味分からなかったから。
もちろん、殺る気満々の播磨の連中も一気に戦意喪失して、どっと笑いに包まれた。嘲笑の声だったけど、和泉は動じる事無く、「てめーら帰るぞ!!」とあっさりヤンキー共を引き上げさせたんだ、その本気具合が分かる。
…理由は、その時の和泉は一切口にしなかった。それが、どうやら播磨のヘッドであるギャル男……翔の胸に引っ掛かっていたらしい。
訳分からない展開だけど、残念ながらこれが二人の出会い…厳密に言えば、『再会』だ。
翔も、この時良く浄閑を追わなかったと思う。それが信条、なんて後に言っていたが、それだけではなかったんだろう。アルビノと言う大きな身体特徴を持つ和泉を見て、何かを思い出していた事も関係しているのかもしれない。
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