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ばちこーんウィンクの翔。ノリは間違いなくナンパだ。勿論、そんな超カルいノリに和泉がキレない訳がない。
「ナメてんのかテメ、播磨のヤローに何でナンパされなきゃいけねーんだよ!!」
「そう言う学校云々とかやめよーよォ、幼稚園の時の話とかしよーよォ?なァ?」
ぽろっと翔がそう漏らした途端、和泉の顔は何故かにわかに真っ赤になり、狼狽し始めた。…やっぱり、自分が何となく思い出したあの子あの頃と何か関係があるらしい…そう翔は感付いたが、真っ赤な顔の和泉は翔の太ももをペシペシ蹴りながら声を震わせ。
「ッざけんなクソ!!んな話なんかしたくねーよクソ!!」
「いていていてぇって!……じゃこの前何でケンカおっぱじめないまま負けを認…」
「っせーよ『借り』を返しただけだ!!」
もう一度強く翔の太ももを蹴った和泉。「いって!」と悲鳴を上げた翔に顔を背け、和泉はそのまま走って逃げていった。
「……借り?」
起き上がりながら、翔は呟く。全く身に覚えが無いからだ。
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