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その日、空は雲一つ無い星空が広がり、冷たい潮風が秋の気配を含んで、其処にいる少年達の髪を揺らしていた。
東京都三門(みかど)市郊外、M埠頭。
きらきらと輝くビルの光に照らされるも、そのムードを弾き飛ばす程の緊張感と殺気が、埠頭を包み込んでいる。
市内四校の不良達が集まり、それぞれのリーダーを正面に置いての睨み合いが始まったからだ。
中央にて佇む四人。
銀の髪を後ろに立たせ、つりあがった目蓋に赤い瞳でにらみを利かせる黒い学ランの少年。
ウルフカットの金髪をたなびかせ、青の垂れ目で絶やさなかった笑みをすっと消し去ったブレザーの色黒。
切り揃えた栗色の髪を揺らし、メガネを外して鳶色の瞳で見渡す、いかにも真面目そうな白学ラン。
揺れる事も無い黒く短い髪、優しそうであった目元がにわかに殺気を漂わせ、スカーフェイスで威圧する大男。
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