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何だかんだで、クッソめんどくせぇな、なんて言いつつも呼ばれたのは、M埠頭の近くにあるT倉庫。どうやら勝手にキヨの仲間達が播磨を呼び出したらしい。
日が沈んで春風が生ぬるい空気を運んでくる中、たらたらと歩いて来た和泉を先に待っていた浄閑の不良達が一斉に頭を下げる。
「和泉さん!!来てくれたんスね!?」
「…ったくよ、お前等ヒトのスケジュールとかどうでも良いのな?どうしてくれんだよこれでバイ…」
「そんな事より、お願いします!!ダイシがボコられて病院送りにされたんス、」
「だからオレぁそんなんどうだって…」
「やべえ!!播磨、『金獅子』を連れて来やがった!!」
話途中でことごとく腰を折られ、和泉は「あ"ァ?」と啖呵を切りながら声の方を向く。向こうから走って戻って来た見張りが、顔を青褪めさせて和泉の前にたどり着いた。
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