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「貴方…小児科医局の看護師でしょ?邪魔よ!!」
と隼也さんと同じ救命救急の看護師・田辺さんが鋭い目つきで睨み、私に向かって怒った。
「すいません…」
「高木先生が貴方と婚約するって本当なの?」
「え、あ…」
「院内中に知れ渡ってるわよ…」
「まぁ、心臓病で亡くなられた貴方の姉さんが確か…高木先生の許婚だったって噂だけど…本当なの?」
「あ・・・はい」
私は馬鹿正直に答えてしまった。
「じゃ貴方は…お姉さんの身代わりなのね…」
「田辺さん…」
院長室に昨日居た相馬先生が私達の間を割って入って来た。
「昨日、夜更けに搬送された心筋梗塞の患者さんの元に案内してくれるかな?」
「あ、はい…こちらです…相馬先生」
田辺さんは話を中断して、相馬先生とICUに行ってしまった。
去り際、彼女に見られないように相馬先生は私にウィンクを投げる。
相馬先生はワザと彼女に話し掛け、私から遠ざけてくれたのだ。
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