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私と隼也さんの婚約が院内に流れているのか…
「おはようございます」
私は何食わぬ顔で、ナースステーションに入って行った。
「プリンスも結婚か…」
「それも…ウチの看護師とは…」
「まぁ~一ノ瀬さんの父親はこの辺りの大地主だから…」
「病院の土地も元は一ノ瀬家所有の土地だったらしいわよ…」
「でも・・・プリンスの許婚は彼女の亡くなったお姉さんらしいわよ…」
此処にも、噂の波が押し寄せていた。
私の挨拶の上の空で、皆は言いたい放題。
「おはようございます!!」
私はもう一度大声で皆に挨拶した。
「一ノ瀬さん!?」
皆は私の姿に気づき、口を噤み、蜘蛛の子を散らすように退散した。
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