5702人が本棚に入れています
本棚に追加
「早斗君」
「あ…パパにみーたん」
もうすぐ二歳の誕生日を迎える早斗君。
ママの眞彩(マヤ)夫人も居た。
「眞彩お前…来てたのか…」
「まぁね」
早斗君は国が難病にしている「左室低形症候群」という胎児の心臓病でも一番重篤な病。
でも、早斗君は運よく、眞彩さんのお腹にいた時、その病が発見された。
発見が遅れたら、一ヵ月以内に死んでしまう。
でも、この病院には神の手の小児心臓外科医の高木院長が居た。
院長の執刀で、早斗君は生まれて間もなく、手術を受け、生後半年目で再び手術。
そして、来週三度目の手術が行われる。
三度目の手術はパパの相馬先生が執刀する予定。
「早斗君、まずはみーちゃんがピピピッしてくれるぞ」
「うん」
私は相馬先生に促され、早斗君の体温を測った。
「次はパパのもしもしだ・・・」
「うん」
早斗君は自分でパジャマのボタンを外していく。
「偉いな…自分でボタン外せるようになったのか・・・」
「うん・・・」
「そうだな…早斗もお兄ちゃんになるからな…」
眞彩さんは第二子となる赤ちゃんを妊娠していた。
「もしもしするぞ・・・」
「うん・・・もちもちする」
最初のコメントを投稿しよう!