院内の噂

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「早斗君」 「あ…パパにみーたん」 もうすぐ二歳の誕生日を迎える早斗君。 ママの眞彩(マヤ)夫人も居た。 「眞彩お前…来てたのか…」 「まぁね」 早斗君は国が難病にしている「左室低形症候群」という胎児の心臓病でも一番重篤な病。 でも、早斗君は運よく、眞彩さんのお腹にいた時、その病が発見された。 発見が遅れたら、一ヵ月以内に死んでしまう。 でも、この病院には神の手の小児心臓外科医の高木院長が居た。 院長の執刀で、早斗君は生まれて間もなく、手術を受け、生後半年目で再び手術。 そして、来週三度目の手術が行われる。 三度目の手術はパパの相馬先生が執刀する予定。 「早斗君、まずはみーちゃんがピピピッしてくれるぞ」 「うん」 私は相馬先生に促され、早斗君の体温を測った。 「次はパパのもしもしだ・・・」 「うん」 早斗君は自分でパジャマのボタンを外していく。 「偉いな…自分でボタン外せるようになったのか・・・」 「うん・・・」 「そうだな…早斗もお兄ちゃんになるからな…」 眞彩さんは第二子となる赤ちゃんを妊娠していた。 「もしもしするぞ・・・」 「うん・・・もちもちする」
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