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頼み事
担当患者のバイタルと投薬を終えたと思えば、食事の介助と午前は慌ただしく過ぎていった。
食堂の椅子に腰を下ろし、一人でランチを食べていると珍しく隼也さんが私の前に腰を下ろした。
「どうしたんですか?」
「・・・一人でランチは侘しいと思って…来てやったんだ」
「ありがとう御座います…」
「昨日…熱性けいれんで夜中来た生後半年の男児が居るんだけど…その母親が滅入っていて…お前は小児病棟勤務の看護師だから…励まし方は心得てると思うから…少し話を訊いてやってくれないか?」
「え、あ…でも…私にも仕事が…」
「それは分かってる…乾看護師長には俺の方から許可を取るから」
「分かりました…」
「サンキュー…瑞希。お礼はたんまりしてやるから…」
噂を訊きつけて、心配で私の所に来たのか思ってちょっぴり嬉しかったけど。
頼み事だったのね。
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