プロローグ

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でも、生まれつき心臓に病を抱えた姉。 隼也さんの父親はその道のエキスパートだし、隼也さん自身も父と同じ道を歩み始めていた。姉も二人に任せれば、治るだろうと皆が思っていたが。 心臓移植しか手立てが残されていなかった姉はドナーの順番を待っていたけど。 その順番を待たず、命が尽きてしまった。 当時、専攻医だった隼也さんも無念で暫くは見ていられない状態だったが、二年の研修後は他の病院の救急センターで後期研修医としてキャリアを積んで、半年前に清和に返り咲き。救命救急科部長を務め、常に現場重視で、多くの人達の命を救っていた。 私も姉の病の影響で医学の道を志したけど、医学部に進学するだけの頭はなく、看護学校に入学。看護師として二年目の春を迎えた。
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