プロローグ

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私は太一君のバイタルのチェックを終えると彼がいつも佇んでいると噂される屋上へと足を運んだ。 私自身の仕事があるし、滅多にこうして屋上に行くことはないけど。 噂通り、彼は屋上にあるベンチに腰を下ろして煙草を吸っていた。 手で綿菓子を千切ったような白い雲が流れる青い空。 「何だ?瑞希か…」 「…少し耳にしました…昨日搬送された若い患者さんのコト…」 「もう…小児医局に知れ渡ってるのか…」 「…隼也さんはウチの病院の次期院長だからね…」 彼は短くなった煙草を携帯用の灰皿に捨てた。
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