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「お前は何しに来たんだ?俺にさっきのセクハラの抗議に来たのか?」
「いえ・・・」
彼は私に近づいて来た。
「じゃなんだ?」
「辛かったんですね…」
「はぁ?それ言いにわざわざ来たのか?瑞希」
「はい…」
「大体、俺は救命救急医だ・・・辛いとか思って…そんな感傷には浸ってる時間はない」
隼也さんが冷たく言い放つと首に提げていたPHSが鳴った。
「もしもし・・・高木だ…分かった・・・今直ぐに向かう…」
「えっ?」
「急患だ…お前も来るか?瑞希」
やっぱり、救命救急は悠長に休んでいる暇はないよう。
隼也さんは私の手を引っ張った。
また、彼は私に触れて来た。
心臓の鼓動がドクンと大きな音を立てて跳ね上がる。
でも、彼の気は急患の患者さんに向いていた。
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