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―初夜Ⅱ―
深夜、いつの間にか意識を手放していたミナは、身動ぎして、あっ、と、思わず高い声を上げた。
口にできない、恥ずかしい部分に、刺激があって、抑える意識を取り戻すのが遅れた。
「…起きたか」
自分も少し、意識を揺蕩わせていたデュッカも、不意の声に、かわいらしさと、何より性的快感があったことを感じ取って、一気に状況に立ち戻り、預けていた重みを減じてやる。
その僅かな動きに、再び、高い声が上がり、ミナが堪らず、右手の甲を自分の唇に当てた。
その柔らかな手を取って、寝台に縫い付けると、ゆっくりと動いて、彼女と繋がる部分を刺激する。
「ああっ…っ!」
先ほどまでは、もっとちゃんと、抑えていられたはずなのに、続けざまに恥ずかしい声を上げてしまい、ミナは、もう片方の手を口に運んだけれど、途中で阻まれた。
「いいから。聞かせろ」
「やっ…ん、っ、はっ、あっ…、んっ」
自制を取り戻そうと、呼吸を整えようとしたけれど、その胸の動きが、腰の下にも影響して、新たな刺激となる。
「まっ…っ、は、あんッ…!やだっ!動かないでっ」
「だめだ」
乾き切っていなかった嵌入部分に、新たな潤滑液が落ちて、動きやすくなる。
思うさま掻き乱して、これまで誰も聞くことはなかったのだろう、その声を、心地よく聴く。
「…ミナ。ミナ。抑えるな。もっと聞きたい」
「ふっ…!こんなのっ!あっ!やだっ!みっ…、みっとも、な、あっっ!」
「みっともなくなんてない」
「や、ああっ!はっ、あっ、だっ…、て、えっ!み、濫りがわし過ぎるっ、ふっっ…!」
「そこがいいんだ」
「なっ!やっ!なに言っ…ッッ!や、あああっ!」
閉じていた足を開くように、太腿の裏に手を回す。
「だめっ!だめっ!もっ、きゃあっ!やっ!あっ、放し…」
どうやら、初夜の交わりは充分ではないかという考えを持ち始めたようなので、それが形になる前に、絶え間ない刺激を与え、羞恥を覚えそうな言葉を紡ぐ。
思った通り、悲鳴交じりの快楽を示す淫猥な声が、息が、柔らかな口から止まらなくなる。
いくらか、違う体勢で行為をしてみたくもなったけれど、始めると朝まででは済まなくなる。
今回のところは、激しさよりも、執拗なまでに肌の接触を楽しみたい。
折角なので、今のうちにいくらか、感じ難い所にも、それとない刺激を重ねて、変化を促すことにする。
こんなふうに。
いとしい者を好きにできる今。
自分の与えるものが、彼女を否応なく変えるのだろう現実。
誰にも見せない、聞かせない、感じさせない、隠された彼女の秘密を。
味わって。
抱き締めて。
放しはしない。
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