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食卓には二人分の食事、一人分は今わたしが食べている。
もう一人分は実の分。
最近、帰宅時間が不規則で夕食を二人で食べていない。
それでも、作った料理は必ず食べてくれる。
明後日はどうするんだろう、実からは何も言われていない。
去年はレストランで食事をした。
その時プレゼントされたペリドットのペンダントは今も胸元で輝いている。
そんなことを考えながら夕食を済ませ片付けようとしたところに実が帰ってきた。
「あっ!惜しい」
何が惜しいのだろう?食事は要らなかったのだろうか?
「お帰りなさい、食事いらなかった?」
「違う違う」実は手をヒラヒラ振りながら「今食べ終わったんだろ?1本電車が早ければ一緒に食べられたなって」そう言うと優しく微笑んだ。
今日は機嫌が良いように感じる。
誰と会ってそんなに機嫌がいいの?
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