12日目

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12日目

 薄い。消えた手から派生するかのように他の部分も消えかかってきていた。 「おい! どういう事だよ」  まだ講習は始まってない。みんなが不審な目で見ているのだろうが気にしてられない。 『たぶん、もう長くないみたい』 「は?」 『最後かもだから……言うね』  見えづらく、聞きづらい。窓に張り付いたが、それでもまだ足りない。顔を物理的にくっつけた。 『……ごめんね』  目線が同じだ。三上さんも同じように窓に張り付いている。たぶん、僕たちはしたのかもしれない。
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