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42日目
まだ残暑が続いていた。
三上さんのバッサリと切った髪が潮風に揺られていた。川で消えたのに海に行きたいと言い出したのだ。
裸足でバシャバシャと水を蹴って遊んでいる。
「優一くん! こっちこっち!」
大きく手を振っている。その手は確かにあった。
「今行くよ」
もし窓に現れなかったら、僕たちは今こうして遊んではいない。
三上さんは二度も消えた。今は、たしかにここにいる。
いつか、この不思議な思い出話をしたい。
そんな未来を築きたい。
触れ合える三上さんと、2人で。
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