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3日目
「おーい!」
グラウンドから元気のいい声が聞こえた。僕に向かって手を振っていたのは彼女の千夏だ。野球帽をかぶり、右手にはめたグローブまでぶんぶんと振っていた。
『何、彼女?』
三上さんは何度も振り返り、まるで僕と千夏を交互に見ているような動きをしていた。
「……そうだよ」
僕は渋々答えた。手を振り返すとさらに激しく振ってきてグローブが飛んでいっていた。「コルァ!」と野球部の顧問が注意したことで千夏は戻っていった。
『隅に置けないなぁ』
口元に手を当て、冷やかすように言っていた。
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