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「にいちゃん。怪獣が出てくるのかな。」
九太郎は図書館で借りた怪獣図鑑に載っていた花のトサカがついたトカゲの怪獣を思い出し身振り手振りで説明する。
「アホか。九太郎!小学1年生にもなってまだわからないのか。こんな小さい所から怪獣が出てくるわけ無いよ。」
得意顔で鼻の上を人差し指で擦りながら瑛太は兄貴風を吹かせてこう言い切った。
「人を操る花粉が出るんだよ!きっと!コレさえあれば俺たちは日本の大統領になれる!そうなったらお菓子食べ放題、ガチャガチャはやり放題だ!」
「すっげー!ヤバい!にいちゃん後さ、街中全てオモチャ屋さんにしようぜ。しかもオモチャは全部タダにする!!」
「いいなそれ!九太郎、採用!」
二人はまだ何も芽が出ていない乾いたフカフカの土だけが詰まった植木鉢を挟み盛り上がり始めた。
「なんだよ。お前ら楽しそうだな。」
「ゲッ、にいちゃん。山本だ!」
3年生の瑛太より一回りも二回りも体格が大きい6年生のボスキャラ山本が突然二人の前に立ち塞がった。
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