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「な、何をする気だ!」
普段と違う九太郎の様子に驚いた山本はボクシングのガードの構えをとる。
......普段と違う
だがそれは瑛太も同じであった。
瑛太も九太郎も山本の言いなりの生活だった。
二人はいつも駄菓子屋の出入り口の影で待ち伏せされた山本にお菓子をせびられ、まだ読んでいない漫画本も借りパクされ、鬼ごっこは鬼ばかり押し付けられるなど山本に様々な理不尽な要求や仕打ちをされるがままであったのだ。
九太郎が空気を限界まで吸い込んだのを察した瑛太がタイミングよく叫んだ。
「行け!くらわせろ!」
九太郎は瑛太の掛け声に合わせて自分の肺の中全てを声に変え一気にぶちまけた。
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