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「は?」
ビームとか炎とか電撃とか出ないのか。
二人は目を丸くして固まった。
小学6年生と3年生の脳内ではド派手な技が九太郎の口内から発射されるイメージが勝手に構成されていた。
だが現実には謎の警告を叫んだのみ。
ちなみに3人が立つ住宅街の一角の路地から見える範囲にはどの家からも煙など一切立ってはいないのだ。
「お前!何言ってんだ!」
ハッと我にかえった山本が再び拳を振りかざし瑛太の向こう側に立つ九太郎を睨む。
だがその時、
「フッ、そろそろだな。」
九太郎は黄色い通学帽のつばの先を右手の二本指で軽く下ろすと出来た影の下から見える唇をクッと上げた。
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