花火

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 私は、彼の隣にしゃがんで、線香花火を一本手に取った。  そして静かに、火をつける。 「聞いてくれる?今日、何があったのか」 「もちろん」  ………魂が宿ってるのは、あの花だけじゃない。  私にだって、魂はある。  だったら、私もあんな風に……  美しく、咲きほこれる。  「あのね……」  私の涙を、彼は静かに、ぬぐってくれた。  
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