花火

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 ドォン………!  私が夏祭りに足を踏み込むのと、花火があがるのは同時だった。  遠くからでもわかる、迫力のある花火。  私は、人ごみの中をすり抜けて歩いた。  もっと近くで、もっと近づいて。  手が、届きそうなぐらいに。  きらきらと、光の粒が頬を染めた。  赤、青、黄、緑、紫、桃  真っ暗だった闇の中に、ぼんやりとした、だけど芯のある花が咲く。  これか、と私は思った。  彼が言っていたのは、こういうことだったんだ。
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